仮面ライダー電王は基本的には悪の怪人と戦う構図ですが、物語は単純ではありません。
歴代仮面ライダーの中でも物語はかなり複雑で難解です。
難しいことはわからなくても楽しめる作品ですが、知った上で電王を観るとより一層楽しめます。
そこで、複雑な電王の話をなるべくわかりやすく解説いたします。
ネタバレを含みますので、
「ネタバレはいやだー!!」
とお思いの方は、ここでお引き取りくださいませ。
「ここまでお読みいただきありがとうございました。」
さて、さっそくネタバレしますが
「話をややこしくしているのは桜井さんです!」
ですが、いきなり桜井さんを解説してもチンプンカンプンになると思われます。
桜井さんを理解するために知っておくべき言葉がありますので、順を追って解説していきます。
この記事を読めば物語のキーワードとなる言葉の意味と桜井さんの重要性がわかります。
イマジンって何?
私たち人間の時間の流れとは別の未来の時間から2007年にやって来た体を持たない精神体です。
体を持っていないので要するに
「オバケみたいなものです」
このオバケが体をGETするためには、人間と契約することが条件です。
そして、契約を完了させればその人の過去の時間に行く事ができて、過去の時間で大暴れして人間の歴史を変えてしまいます。
このオバケがいた元々の時間は人間の時間とはつながっていません。
人間の歴史を変えることで、人間の時間をイマジンの時間に変えようとしたんです。
それを阻止しようと頑張ったのが“特異点”である良太郎です。
ちなみにイマジンとは“イマジネーション”と“魔人”でイマジンです。
特異点と、時間は記憶が作り記憶は時間が作る。
さあ、ややこしいのが出てきました。
特異点とは時間の流れに影響を受けない人のことです。
そして特異点の人はイマジンに体を支配されません。
モモタロスが良太郎に入って戦っても、あくまでも主導権は特異点である良太郎です。
イマジンが過去で大暴れして多くの人が亡くなりました。
過去が変わってしまいました。
ですが、良太郎は特異点ですので過去の影響を受けません。
良太郎の記憶を基に過去が元通りになります。
良太郎の記憶以外の部分は、多くの人々の記憶で元の時間に戻ります。
人間の時間とは人々の記憶が作り、人々の記憶は時間が作るのです。
「う~ん、わかるような、わからないような・・・。」
時間とは人の記憶の積み重ねだとデンライナーのオーナーが言っていました。
「はい、ココー! テストに出まーす!!」
それくらい重要な言葉です。
ぜひ、あなたの記憶の積み重ねの片隅に置いといてくださいませ。
時の分岐点と分岐点のカギ
時の分岐点とは時間が枝分かれするポイントのことです。
人間の未来に向かうのか、イマジンの未来へと向かうのか、物語の大切なところです。
例えば私がお昼ご飯にラーメンを食べるとします。
にんにく増し増しにするのか、にんにく無しにするのか悩みます。
にんにく増し増しにすると、午後からは口が臭い時間の未来に向かいます。
にんにく無しにすると、午後も口が臭くない時間の未来に向かいます。
にんにくを入れるのか、入れないのか、この闘いが時の分岐点です。
そして時の分岐点には“分岐点のカギの人物”が存在します。
またもや、イマジンが過去で大暴れして多くの人が亡くなります。
分岐点のカギの人物が巻き込まれて死亡したら、人間の時間が問答無用でイマジンの時間へとつながってしまうのです。
「えらいこっちゃです!」
「にんにくどころの騒ぎではありません!!」
分岐点のカギとは絶対に守らなければならない存在なのです。
カギの人物を守れば、人間の未来の時間が継続確定!
カギの人物が死ねば、イマジンの未来の時間に変更確定!
そこで出てくるのが、話を更にややこしくしている張本人の“桜井さん”です。
ややこしい桜井さん
さて、この物語をいちばんややこしくしている人物の桜井さんについてです。
桜井さんは分岐点のカギの人物をイマジンのボスから隠すためのオトリです。
桜井さんを理解できたら電王の話は簡単になります。
今まで出てきた、特異点だの分岐点だのの話は“桜井さん”にたどり着くまでの予習みたいなものです。
そもそも、桜井さんのフルネームは“桜井侑斗”です。
そして、物語の中に桜井侑斗は2人いるのです。
同姓同名ではなく、同一人物です。
「はい、さらにややこしくなりました。」
2人の桜井侑斗をわかりやすくするために箇条書きにしますね。
ひとり目の桜井侑斗の“桜井さん”とは
- この人は劇中で“桜井さん”と呼ばれていた、コートと帽子の人です。
- 良太郎のお姉さんの野上愛理の婚約者で行方不明の人です。
- 2007年1月10日に“桜井さん”がゼロノスに変身してイマジンのボスと戦いました。
- “桜井さん”は特異点ではないので誰かの記憶を消費して変身をします。
- この日は愛理をイマジンから隠すために愛理の記憶でゼロノスに変身をしました。
- 愛理は婚約者の“桜井さん”の記憶を失いました。
- その後に“桜井さん”は過去の自分の“侑斗”に変身ベルトを託します。
- “桜井さん”は分岐点のカギの人物をイマジンのボスから隠すためのオトリになりました。
ふたり目の桜井侑斗の“侑斗”とは
- “侑斗”は愛理と出会う前の桜井侑斗です。
- “桜井さん”が過去に行って、過去の自分の“侑斗”に変身ベルトを渡しました。
- 2007年1月10日以降は“侑斗”がゼロノスに変身して戦います。
- “侑斗”は未来の自分の“桜井さん”の記憶カードを消費してゼロノスに変身します。
- 最後の記憶カードを使ったので“桜井さん”を記憶している人がいなくなりました。
- 記憶が時間を作ります。
- “桜井さん”の時間と存在も無くなりました。
- しかし、記憶が時間を作ります。
- “侑斗”を記憶している人は存在しているので、侑斗の新しい未来ができました。
「大丈夫ですか? ついてこられていますか?」
分岐点のカギの人物をイマジンから隠すために、桜井さんがオトリとなってイマジンを過去に誘導して、侑斗がゼロノスになってイマジンを倒す作戦です。
だから、桜井さんのいる過去の時間にやたらとイマジンが現れたのです。
なるべく簡単にわかりやすく書こうと心がけておりますが
「私にはこれが限界です。」
では、桜井さんが婚約者の愛理の記憶をわざと消し、自分の存在も消えてしまう事を知りながら守りたかった“分岐点のカギの人物”は誰だったのか?
その答えはこちらをどうぞ。
いきなりですが、仮面ライダー電王のストーリーはよく練られていてすばらしいです。
しかし、とてもややこしくなっている感は否めません。
タイムマシン要素あり、時間は記憶、分岐点に特異点、そしてある意味主人公が多重人格、ややこしい要素[…]
そして、“桜井オトリ作戦”にまんまと引っかかったのがイマジンのボスの“カイ”です。
カイって何者?
ここの説明はおまけみたいな物なので、サクッと行きます。
カイの正体については存在しない未来の特異点としかわかっていません。
ただ言えることは、最後の最後まで桜井さんに騙されていた人です。
時の分岐点のカギの人物を
- 桜井さんだと思い込む (不正解)
- 野上良太郎だと考え直す (不正解)
- 良太郎の姉の愛理だと確信する (不正解)
最後の最後に正解を知らされて逆ギレしていた人です。
カイについての考察はこちらの記事に詳しく描かれています。
仮面ライダー電王は2007年1月から2008年1月まで放送していた大人気作品で、放送終了から約15年経った今でも圧倒的な人気を誇っています。
そんな電王にはカイという陰のある人物が出てきますが、カイは黒幕で敵イマジンへの指示者本人です[…]
まとめ
- イマジンとは未来から来た体を持たないオバケみたいなものです。
- 特異点とは時間の流れに影響を受けない体質の人です。
- 時間とは人の記憶の積み重ねです。
- 時の分岐点とは時間が枝分かれするポイントの事です。
- 分岐点のカギとは分岐点の先の未来を決定させる人物です。
- 桜井さんは分岐点のカギの人物を守るためのオトリです。
- カイとは桜井オトリ作戦に最後まで騙されていた人です。
仮面ライダー電王の主人公はもちろん野上良太郎です。
しかしですね、私は思うのですが
「良太郎を中心に考えるから、話が複雑になるんだと思います。」
ここは視点を変えて、愛理の婚約者の桜井さんを中心に考えてみましょう。
イマジンと戦っているのは、“桜井本人”と“過去の自分”と“婚約者の弟”です。
カギの存在を隠すために記憶を消した愛理も、未来を守るために戦っていたと考えることもできるでしょう。
つまり電王は、桜井家と嫁の弟が未来のために頑張った話です。
「うん、いいですね~。」
あんなに複雑だった話が、かなりスッキリしました(笑)
あの国民的アニメで例えてみましょう。
- フグ田家のマスオさんが桜井さん
- フグ田家の嫁のサザエさんが野上愛理
- 嫁の弟がカツオで野上良太郎 (仮面ライダー電王)
- 分岐点のカギの人物がタラちゃんでハナ
「サザエさん夫婦とカツオがタラちゃんのために頑張った話」
意図せず、ほのぼの感がただよって参りました。
「え!? かえってわかりづらくなった」
これ以上はやめておきます。
さて、来週の仮面ライダー電王は・・・。
皆さんも桜井さん目線で電王を観てみてくださいね。
「じゃんけん、ぽん!! うふふふふふ。」