仮面ライダー電王は、仮面ライダーシリーズで人気作の一つです。
詳しくはないけど作品名は聞いたことある、という方も多いのではないでしょうか?
そんな仮面ライダー電王の映画に出演されていた渡辺裕之さんが、2022年にお亡くなりになりました。
有名な方でしたので、当時ニュースを見て衝撃を受けた方も多かったのではないでしょうか?
私もそのうちの一人で、本当に亡くなってしまったのかと渡辺裕之さんに関するニュースや記事をいくつも調べていた程です。
今回は現実を受け止めた私が、渡辺裕之さんはどんな人だったのか、死因と演じられた役についてまとめさせて頂きました。
驚きの内容がたくさんありますが、内容をまとめていく中で渡辺裕之さんの素晴らしさを再認識することもできました。
この記事を通して、少しでもどんな人だったのか知っていただけると嬉しいです。
死亡した俳優はどんな人?
亡くなられた方は、仮面ライダー電王の映画に出演されていた俳優の渡辺裕之さんです。
2022年5月3日に死亡が判明し、享年66歳でした。
渡辺裕之さんは1980年から芸能活動を始め、任侠モノや時代劇、特撮シリーズを中心に2022年まで現役として活躍されていました。
40年以上も活躍されていたなんて、まさに大御所のような存在ですね。
その活躍はテレビドラマや映画だけでなく、洋画の吹き替えやゴルフ番組までも務めるなど、大変幅広く活動されていました。
テレビCMではあの、
「ファイト!」
「一発!」
で有名な栄養ドリンクのテレビCMにも抜擢されていました。
凄いのは俳優業だけではありません。
何事にも一生懸命で、数々の関係者が口を揃えるほど大変優しい性格を持つ魅力的な方でした。
演技力もさながら中身も素敵だったことから、周囲の方から好かれていたのも納得です。
仮面ライダー電王ではどんな役を演じていた?
渡辺裕之さんは、2007年8月に公開された”劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!”にて牙王(仮面ライダーガオウ)役を演じました。
牙王は時の列車を狙う強盗団の親玉的存在で、仮面ライダーガオウに変身して主人公たちと戦いました。
時の列車とは、過去や未来を行き来する電車型タイムマシンのことです。
仮面ライダー電王は、主人公たちが本来の時間の流れを変えようとする敵を倒して、時間の流れを守る物語です。
敵は過去で悪さをして歴史を変えることで、時間軸を乱そうとします。
主人公たちがその敵を倒すためにも、タイムマシンの役割を持つ時の列車の存在は重要になってきます。
時の列車は通常、人類が存在する時代までしか走れません。
しかし時の列車の一種である”神の列車”は人類の有無に関わらず、遥か昔の過去まで行くことができます。
牙王はこの神の列車を探し求め、入手しました。
牙王は三代欲求の一つである”食”に貪欲で、時間の流れごと食べようとしていました。
入手した神の列車を利用して全ての時間を支配するために、まず最初に主人公の存在を抹消しようとして主人公たちと戦う、というのが劇場版電王の大まかなストーリーであり牙王の立ち位置です。
牙王は劇場版で主に活躍しますが、”劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!”自体がテレビ本編の第27話と第28話の間の出来事として描かれています。
なのでテレビ本編の第25話〜第27話にも実は牙王の姿が映されています。
牙王は冷静沈着で強いため、劇場版の電王を視聴したファンからは牙王がかっこいいという声が多数上がっています。
牙王がかっこいい理由はキャラクター性もありますが、何より牙王を演じられた渡辺裕之さんの演技力が素晴らしかったことが大きな理由でしょう。
しかも牙王役を演じられた2007年当時の渡辺裕之さんは51歳で、当時は史上最高齢ライダーだったそうです。
牙王のかっこよさは、今までに培ってきた演技力と、当時の年齢だったからこそ引き出せた魅力であることは間違いありません。
ちなみに牙王役を演じられていた時にはこんなお話もありました。
渡辺氏はガオウを演じるにあたって、「ガオウはなんで神の列車探してるの?」と疑問に思ったが、誰も教えてくれなかったので過去に5歳の子供を失って、子供がいた時間に行こうとするもうまくいかず、時間なんて消えてしまえと思い今に至ったと脳内設定作っていたことを舞台挨拶などで語っている。
元々キャラ作りに熱心な俳優であることで知られており、独自に脳内設定(公式ではない)を決めて演じることが多い。
引用:アニヲタWiki(仮)
真面目な渡辺裕之さんらしいエピソードに心が温まりますね。
死亡した俳優の死因は?
仮面ライダーガオウを演じられた渡辺裕之さんですが、なぜ亡くなられたのでしょうか。
死因は、自宅での縊死(いし)です。
聞き慣れない死因だったため、縊死の意味を調べてみました。
い‐し【縊死】
〘名〙 首をくくって死ぬこと。首つり。首くくり。いっし。
引用:コトバンク
言葉の意味のまま受け取ると、渡辺裕之さんは自ら命を絶ったと解釈ができます。
ではどうして、渡辺裕之さんは縊死へと至ってしまったのでしょうか。
その理由は、心の病が原因です。
関係者や医師の話によると、渡辺裕之さんは初老期うつ病の可能性が高かったようです。
初老期うつ病とは、初老期に入っている60代前後に特に起こりやすいうつ病の一つです。
喪失体験により初老期うつ病を引き起こします。
喪失体験とは、仕事の減少による経済的喪失や、身体の衰えによる肉体的喪失などを指します。
このような喪失から”自分はもうダメかも”と自信がなくなっていき、次第に自らの存在意義さえも失ってしまうことでうつ病が発症します。
渡辺裕之さんは2005年に被害総額1億円以上の投資詐欺に遭っています。
加えて2017年頃からは仕事も減少していき、仕事が入ってもレギュラーではなく単発のお仕事が多かったようです。
ここから経済的喪失を体験したと推測ができます。
また渡辺裕之さんはトレーニングも定期的に行っていましたが、関節や筋肉の痛みを覚えたことから身体の衰えも感じていました。
ここで経済的喪失とともに、肉体的喪失も体験したのでしょう。
某栄養ドリンクのCMでは肉体美を見せていたので、そのイメージを保てるようにトレーニングを欠かさずしていたのではないかといわれています。
そのイメージが崩れてしまうことも含めて、自身の肉体の衰えが受け入れられなかったようです。
渡辺裕之さんは完璧主義でしたが、完璧主義の方は自身の衰えを受け入れ難い傾向があります。
また自律神経失調症と診断されていたことも正式に発表しています。
将来の不安を抱えながらも、真面目でストイックな渡辺裕之さんは元気な姿をみせようと努めていたこと、そして初老期うつ病と自律神経失調症が重なって、心に限界が来てしまったと考えられます。
2022年近くの撮影現場では、完璧主義な渡辺さんが台本を覚えていなかったり、突然怒鳴り始めたりと異変も見られていました。
2017年頃から仕事は減っていきましたが、亡くなられる前の時期は仕事で忙しかったようです。
忙しくなってきて、状態が回復しつつあると思われた矢先の縊死だったので、特にご遺族の悲しみは計り知れません。
一生懸命でストイックな渡辺裕之さんだったからこその出来事だったかと思います。
初老期うつ病は、身近な方にも発症しやすいので注意が必要です。
一説によると、渡辺裕之さんは完璧主義な点から自身の衰えを受け入れられず、初老期うつ病の早期発見が遅れたのではないかと考えられています。
自他含め、心当たりがある場合は早めの受診をお勧めします。
老年期うつ病は、早めに適切な処置ができれば重症化のリスクを大幅に抑えることが
できます。
初老期だからこそ受け入れ難い現実はあるかもしれませんが、命が優先です。
まとめ
- 死亡した俳優は渡辺裕之さん
- 死因は自宅での縊死で、初老期うつ病や自律神経失調症による心の病が原因
- 渡辺裕之さんは”劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!”で牙王(仮面ライダーガオウ)役を演じていた
渡辺裕之さんは、劇場版仮面ライダー電王でも素敵な演技を魅せてくれました。
俳優としても、一人の人間としても素敵な方が亡くなられたのは非常に残念です。
渡辺裕之さんの新しいご活躍がもう見れないと思うと悲しくて仕方ありません。
どんな役でも、まだ渡辺裕之さんの演技を見たかったのが正直な本音です。
真面目で完璧主義なことが引き金となってしまった部分はありますが、優しさ含むその人間性は渡辺裕之さんの魅力でもあり、その魅力に多くの方が惹かれていたことでしょう。
人間性や仕事に取り組む際の熱量など、亡くなられた今でも渡辺裕之さんから学ばせて頂けることはたくさんあります。
生前でたくさん努力された分、今は安らかに眠られていることを心よりお祈りいたします。