「同志の皆さん、お聞きしたいことがあります」
仕事帰りの電車の中、ふとスマホで懐かしい名前を検索して、
思わず眉をひそめた経験はありませんでしょうか?
「仮面ライダー カブト ストーリー ひどい」
これは一体どういうことかと。
私たちの魂を焦がしたあの作品が、「ひどい」だなんて。
胸の奥底で何かが音を立てて燃え上がるのを感じます。
悔しい。そして、猛烈に語りたくなってきます。
『仮面ライダーカブト』は断じて「ひどい」作品などではありません。
むしろ、大人になった今だからこそ、その深みとカッコよさが骨の髄まで染み渡る、
”超一級の芸術作品”であると、俺は断言します!
この記事は、俺と同じように『仮面ライダーカブト』を愛し、
あの天を突く指先に未来を見たすべての同志に捧げる、魂の叫びです。
なぜ一部で「ストーリーがひどい」と言われてしまうのか?
その理由にも真正面から向き合います。
その上で、それらを遥かに凌駕するカブトの圧倒的な魅力を、俺の言葉で、
10000字を超える熱量で語り尽くさせてください。
読み終えた時、あなたの心に燻っていたライダー魂は再燃し、
「今夜、もう一度カブトを観よう!」と拳を握りしめているはずです。
さあ、準備はよろしいでしょうか?
共に、光よりも速い世界へ
―――変身!
なぜ『仮面ライダーカブト』のストーリーは「ひどい」と言われてしまうのか?

まずは、私たちファンも一度は考えたことがあるであろう、「ひどい」と言われる理由に真正面から向き合う章です。
これを語らずして、本当の愛は語れません!
ファンだからこそ、このモヤモヤも理解できるのです。
ですが、ご心配には及びません。
これは、最高のカタルシスへの壮大な前フリなのですから。
伏線が未回収?謎のまま終わった登場人物たちの背景
これは認めざるを得ない部分かもしれません。
『仮面ライダーカブト』を最後までご覧になった誰もが、心の中にいくつかの「?」を抱えたはずです。
例えば、物語の根幹に関わる「ネイティブ」の存在。
彼らは一体どこから来て、最終的に何を目指していたのでしょうか?
人類との共存を望む者、支配しようとする者、その内情は最後まで断片的にしか語られませんでした。
渋谷隕石と共に飛来した最初のワームでありながら、後から来たワームと敵対する。
その複雑な関係性は、物語に深みを与えると同時に、多くの謎を残したのです。
他にも、天道総司の両親に擬態したワームの真意、
ひよりの中にあった「シシーラワーム」の謎、
ZECT総司令である加賀美陸が画策していた「赤い靴システム」の全貌…。
これら一つ一つが、私たちの考察心をくすぐる魅力的な要素であったことは間違いありません。
ですが、物語の中で明確な答えが提示されなかったことで、
「投げっぱなしだ」「ストーリーが破綻している」と感じてしまう視聴者がいたのも事実でしょう。
特に終盤、物語は天道と加賀美、そして人類の未来を賭けた戦いに集約していきます。
その疾走感は凄まじいものでしたが、その分、道中に散りばめられた多くの謎が振り落とされてしまった感は否めません。
しかし、俺はこう思うのです。
全てを語らないからこそ生まれる「余白」こそが、作品の奥行きではないかと。
放送終了から15年以上経ってもなお、私たちがこうしてカブトについて語り合えるのは、
この「謎」という名の最高の燃料があるからなのかもしれません。
突然の路線変更?シリアスとギャグの振れ幅が激しすぎ問題
『仮面ライダーカブト』のストーリーを語る上で、絶対に外せないのが
シリアスとギャグのジェットコースターのような展開です。
序盤は、人間に擬態するワームの恐怖を描く、息詰まるようなサスペンスでした。
いつ、どこで、誰がワームに入れ替わっているか分からない疑心暗鬼の世界。
クロックアップによる圧倒的な絶望感。
これぞ平成ライダーの醍醐味だと、私たちは固唾を飲んで画面に見入っていました。
しかし、物語が進むにつれて、その様相は一変します。
伝説の黒包丁を巡る料理対決。
お嬢様学校での球技大会。
天道がなぜか豆腐を持って走り、加賀美が必死で追いかける。
…思い出してもクスリと笑ってしまう、あの怒涛のギャグ回たち。
脚本家として、メインの米村正二氏に加え、井上敏樹氏などが参加したことで、作風に大きな変化が生まれたのです。
この振れ幅の大きさは、間違いなくカブトの個性であり、魅力の一つです。
しかし、これを「ストーリーの一貫性がない」「話が迷走している」と捉える声があるのも、十分に理解できます。
さっきまで人類の存亡を賭けて戦っていたと思ったら、次の瞬間には麻婆豆腐の隠し味で真剣勝負を繰り広げているのですから。
このカオスな展開は、「ひどい」という評価の一因になったのかもしれません。
ですが、考えてみてほしいのです。
シリアスなだけが仮面ライダーではありません。
どんな絶望的な状況でもユーモアを忘れず、飯を美味しそうに食べる。
そんな天道総司の生き様そのものが、この作品のスタイルだったのではないでしょうか。
主役が強すぎる!天道総司の「俺様最強理論」の功罪
「天の道を往き、総てを司る男」
この言葉を体現するかのように、主人公・天道総司は文字通り「最強」でした。
料理、スポーツ、勉強、そして戦い…彼にできないことは何一つありません。
初変身から一切の迷いなくカブトゼクターを使いこなし、ワームを圧倒します。
その姿は、私たちに絶対的な安心感と、胸のすくようなカタルシスを与えてくれました。
ですが、この「完璧超人」であるがゆえの弊害もありました。
物語において、主人公の「成長」は大きなカタルシスを生みます。
しかし、天道は最初からレベルMAX。成長の余地がないのです。
そのため、物語の推進力は、もっぱらもう一人の主人公、加賀美新の成長に委ねられることになります。
天道が強すぎるあまり、他のライダーたちの活躍が霞んでしまう場面もしばしばありました。
どんなピンチに陥っても、「どうせ天道が何とかしてくれる」という安心感は、時として物語の緊張感を削いでしまいます。
「ご都合主義だ」「主人公補正がひどい」という批判は、この圧倒的な強さの裏返しだったと言えるでしょう。
しかし、です。
私たちは本当に「成長する主人公」だけを求めていたのでしょうか?
いや、違うはずです。
私たちは、ブレない信念で、常に天の道を往く「太陽」のような存在に憧れたのです。
彼の強さは、ストーリー上の都合などではありません。
それ自体が、作品の根幹を成す、何よりも雄弁な「テーマ」だったのです。
それでも俺たちが『仮面ライダーカブト』のストーリーを愛さずにはいられない5つの理由

さあ、ここからが本番です!
ネガティブな意見はすべて受け止めました。
それを踏まえた上で、私たちの魂がなぜこれほどまでに『仮面ライダーカブト』に惹きつけられるのか。
その理由を、愛と情熱の限りを尽くして語らせていただきます!
ぜひ、ご注目ください!
魂が震える!「天の道を往き、総てを司る男」天道総司の圧倒的カリスマ性
先に「強すぎる」と書きましたが、それこそが天道総司の、そして『仮面ライダーカブト』の最大の魅力なのです!
彼はただ強いだけではありません。
その強さには、確固たる哲学と信念が貫かれています。
天道は決して驕りません。
彼の言う「俺が世界の中心」という言葉は、傲慢さの表れではないのです。
それは、「世界を救う責任は、すべてこの俺が背負う」という、あまりにも気高い覚悟の表明なのです。
常に不遜な態度を崩さず、他人を見下しているように見える彼が、
たった一人の妹・樹花や、守るべき存在であるひよりに見せる、不器用で深い愛情。
そのギャップに、私たちの心は鷲掴みにされました。
そして、彼の口から紡がれる珠玉の言葉たち。
「人が歩むのは人の道。その道を拓くのは、天の道だ」
「俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方する」
子供の頃はただ「カッコいいセリフだ」と思っていました。
ですが、社会の理不尽さに揉まれ、自分の無力さを痛感することも多い今、
この言葉がいかに強く、そして優しいエールであるかが分かります。
自分の人生の主役は自分自身だ。
運命に流されるな。自分の足で、天の道を切り拓け、と。
天道総司という男の生き様そのものが、私たちへの応援歌なのです。
こんなにも頼もしく、カッコいい主人公が、かつていたでしょうか?
いや、いません!
デザインが神!クロックアップの衝撃とスタイリッシュすぎるライダーたち
ストーリーがどうこう言う前に、まず思い出していただきたいのです。
私たちが初めて『仮面ライダーカブト』を見た時の、あの衝撃を!
ゴツゴツとした重厚な装甲に身を包んだ「マスクドフォーム」。
そして、天道が叫びます。
「キャストオフ!」
外装が弾け飛び、中から現れるスマートで洗練された「ライダーフォーム」。
この二段階変身のギミックは、まさに革命でした。
昆虫の「脱皮」をモチーフにしたこの変身シークエンスは、理屈抜きでカッコよく、私たちの心を一瞬で掴んで離しませんでした。
そして、カブトの代名詞とも言える特殊能力。
「クロックアップ!」
時の流れから解き放たれ、常人には認識できないほどの超高速戦闘を繰り広げる。
降りしきる雨粒が空中で静止し、爆発の閃光がゆっくりと広がる中を、カブトだけが疾走する。
あの映像表現のセンスは、もはや特撮の域を超えたアートです。
ワームの圧倒的なスピードに為す術もなくやられていた人類が、初めて同じ土俵に立った瞬間のカタルシスは、今思い出しても鳥肌が立ちます。
カブトだけでなく、ガタック、ザビー、ドレイク、サソード…登場するライダー全員のデザインが、信じられないほどにスタイリッシュで完成されています。
まさに、仮面ライダー公式ポータルサイト「KAMEN RIDER WEB」で何度も見返したくなる、奇跡のデザインです。
この視覚的なカッコよさだけで、ストーリーが多少破綻していようが、お釣りがくるほどの魅力があったのです!
大人になった今、「S.H.Figuarts(真骨彫製法)」のフィギュアや、「CSM(COMPLETE SELECTION MODIFICATION)」の変身ベルトを手に取ってみてください。
あの頃の興奮が、よりリアルな手触りをもって蘇るはずです。
大人のライダー魂爆発術!
子供の頃は親にねだって買ってもらった変身ベルト。
大人になった私たちには、自分の意志と財力で、あの頃の夢を叶える力があります!
- CSMカブトゼクター: 劇中のプロップを忠実に再現し、キャストオフやクロックアップの音声ギミックも完璧に内蔵。これを腰に巻けば、誰もが天道総司になれます!
- S.H.Figuarts(真骨彫製法): 骨格から造形するというコンセプトで、まるで本物のカブトがそこにいるかのような圧倒的な存在感。あのライダーキックのポーズを、自分の手で再現できる感動は計り知れません。
書斎に飾った一体のフィギュアが、日々の仕事の疲れを癒し、「明日も戦うか」という勇気をくれるのです。
これぞ、大人になった私たちだからこそできる、最高のライダー愛の形です!
友情、対立、そして絆…不器用な男たちの熱いドラマに涙する
『仮面ライダーカブト』は、天道総司という絶対的な太陽の物語であると同時に、
その光に照らされ、あるいは反発しながらも輝こうとする、不器用な男たちの群像劇でもあるのです。
その筆頭が、もう一人の主人公、加賀美新(仮面ライダーガタック)です。
最初は天道に反発しながらも、その強さと信念に惹かれ、いつしか唯一無二の親友となっていく。
直情的で熱血漢ですが、どこか空回りしてしまう加賀美。
そんな彼が、数々の挫折を乗り越えて「戦いの神」ガタックに変身するシーンは、何度見ても胸が熱くなります。
天道と加賀美、光と影、太陽と大地のような二人の関係性こそ、この物語の縦軸なのです。
そして、忘れてはならないのが、強烈なインパクトを残したあの二人組。
矢車想(キックホッパー)と影山瞬(パンチホッパー)…通称「地獄兄弟」です。
エリートから転落し、「完全調和」を信条としながらも誰よりも歪んでしまった兄貴・矢車。
彼を裏切りながらも、結局は同じ地獄へ落ち、兄貴を慕うことしかできなくなった弟・影山。
常にネガティブで、世を拗ねた言動を繰り返す彼らが見せる、一瞬の輝きと悲しい絆。
「俺の弟になれ…」「兄貴…」
あのやり取りに、涙腺を破壊された同志は俺だけではないはずです。
さらに、悲劇の「ぼっちゃま」こと神代剣(仮面ライダーサソード)。
全てのワームを滅ぼすことを誓いながら、自分自身がワームであったという残酷な真実。
彼の物語は、カブトのストーリーに深みとどうしようもない切なさを与えました。
これらの人間(?)ドラマは、決して単純な勧善懲悪では語れません。
だからこそ、私たちの心に深く、深く突き刺さるのです。
心に刻まれる「おばあちゃんが言っていた…」珠玉の名言集
天道総司を天道総司たらしめている、最大の要素。
それは、彼の行動哲学の源泉である、おばあちゃんから授かった言葉の数々です。
通称「天道語録」。
これは単なる決め台詞ではありません。
私たちの人生を豊かにする、普遍的な真理が込められています。
「病は飯から。食という字は人を良くすると書く」
「食事は一期一会。毎回毎回を大事にしろ」
「子供は宝物…。この世で最も罪深いのは、その宝物を傷つける者だ」
「本当に美味しい料理は、食べた人間を幸せにする」
「二兎を追う者は、二兎とも取らねばならん」
いかがでしょうか。
仕事で忙殺され、コンビニ飯で夕食を済ませてしまう日々に、
「食事は一期一会」という言葉がグサリと刺さりませんか?
部下との関係に悩み、「本当に強いのは自分を強いと思わないことだ」という言葉にハッとさせられませんか?
これらの言葉は、放送当時よりも、様々な経験を積んだ今だからこそ、より深く心に響きます。
もはや特撮ヒーローのセリフという枠を超えた、人生のバイブルです。
「ストーリーがひどい」と言う前に、この言霊の数々に、もう一度耳を傾けてみてほしいのです。
そこには、明日を生きるためのヒントが、きっと隠されているはずですから。
大人になった今だからわかる!作品に込められた深遠なテーマ
子供の頃は、ただライダーのカッコよさや、ワームとの戦いに夢中になっていました。
しかし、大人になった今、改めて『仮面ライダーカブト』を観返すと、
そのストーリーの奥に、非常に哲学的で深遠なテーマが隠されていることに気づかされます。
その中心にあるのが「擬態」というコンセプトです。
ワームは人間の姿形だけでなく、記憶や人格までをもコピーします。
昨日まで隣で笑っていた友が、愛する家族が、ある日突然、中身の違う「何か」に入れ替わっているかもしれない。
この設定がもたらすのは、単なるSF的な恐怖だけではありません。
それは、私たちへの問いかけなのです。
「人間らしさとは何か?」
「本物と偽物を分かつものは何か?」
人間よりも人間らしい心を持ってしまったワーム。
ワームを庇い、共存の道を模索しようとする人間。
そして、主人公である天道総司自身が、人間でありながらネイティブ(ワームに近い存在)の両親から生まれたという、究極のハイブリッドであるという事実。
単純な「人間 vs 異種族」という構図に収まらない、複雑で多層的な物語構造。
これは、子供向け番組の皮を被った、極めてアダルトな人間ドラマです。
伏線が未回収だとか、ギャグ回が多いとか、そんなことは些細な問題に思えてきます。
この重厚なテーマに触れられただけで、『仮面ライダーカブト』を観る価値は十二分にあると、俺は確信しています。
まとめ:『仮面ライダーカブト』のストーリーはひどいんじゃない、”最高”なんだ!

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます、同志の皆さん。
もう一度、問いかけさせてください。
『仮面ライダーカブト』のストーリーは、本当に「ひどい」のでしょうか?
確かに、未回収の伏線はあるかもしれません。
確かに、シリアスとギャグの振れ幅は激しいかもしれません。
確かに、主人公は最初から強すぎるかもしれません。
ですが、それらすべてを「欠点」と切り捨てるのは、あまりにももったいないのです!
それらはすべて、この作品が持つ唯一無二の”個性”であり、強烈な”魅力”なのです。
圧倒的なカリスマを放つ主人公、
革新的でスタイリッシュなデザインとアクション、
心揺さぶる不器用な男たちのドラマ、
人生の道標となる珠玉の名言、
そして、大人になった今こそ考えさせられる深遠なテーマ。
これらの輝きは、多少の粗さなど些細なことだと思わせるほどの、凄まじい引力を持っています。
『仮面ライダーカブト』のストーリーは「ひどい」のではありません。
”最高”なのです!
もし、この記事を読んで、少しでもあなたのライダー魂に火がついたなら、
今夜、東映特撮ファンクラブや各種配信サービスで、第一話を再生してみてください。
きっと、あの頃と同じか、それ以上の興奮があなたを待っているはずです。
私たちはこれからも、天の道を往き、総てを司るあの男の背中を追い続けましょう。
ありがとう、仮面ライダーカブト。
私たちの太陽よ、永遠に!