昔から子供向けのテレビドラマとして人気の仮面ライダー。
年齢によって自分が子供のころに放映していた仮面ライダーは違うので、
「自分が見ていた頃の仮面ライダーは~…」
…なんて話題で盛り上がれると思います。
もしくは、お子さんがいる人(私もその一人です!)であると
幼い息子が好きで毎週見ているのに釣られて一緒に見てしまい、なぜかストーリーやアクションに惹き込まれてしまう大人も少なくないと思います。
俳優さんがかっこよかったりしますからね。
そんな歴代仮面ライダーの中で、ひと際異色を放つ仮面ライダー響鬼はご存じですか?
2005年から2006年にかけて放映されていて、鬼をテーマとしたストーリーの仮面ライダーです。
その中で、童子と姫という敵サイドのキャラクターが登場します。
「仮面ライダーに倒されるための敵なんでしょ?」
と、思われるでしょうが、いえいえ!!
童子と姫というキャラクターはとっても魅力的なのです!
その童子と姫の魅力についてご紹介したいと思います。
ビジュアルと存在感
演じられている俳優さんは
童子役/村田充
姫役/芦名星
となっています。
ですが声は逆になって演じていて、童子の声が芦名さん、姫の声が村田さんになっています。
男の姿だけど甲高い女性のような声、女の姿だけど低く暗い男性の声…
それによって、人間ではない魔物的なイメージが伝わってきます。
ビジュアルもすごく綺麗な姿なので、綺麗であればあるほど怖い感じが出ています。
和装なのも雰囲気がでていて、世界観に惹き込まれてしまいます。
仮面ライダー響鬼のテーマが鬼。
なので“和”の雰囲気がとても強く、現代の日本というよりは日本古来を感じさせます。
また、自然の中のシーンが多く、神秘的な世界観になっています。
「本当に仮面ライダーなの?」
と、最初疑ってしまうくらい見入ってしまうのです。
これなら、全然大人でも楽しめる!
そんな中に容姿端麗な童子と姫が登場します。
彼らはヒーロー達と戦うのですが、役割としては魔化魍(まかもう)という魔物を育てる
こと。
日本各地に生息する魔化魍それぞれに彼らが存在しています。
たとえば
- ツチグモの童子と姫
- バケガニの童子と姫
- イッタンモメンの童子と姫
など、たくさん!
演じられている俳優さんは同じなので、顔は一緒ですが衣装がそれぞれ違います。
その違いを見るのも楽しいです。
和装をしている人間の姿をしていると思いきや、仮面ライダー達と戦闘するシーンには
怪童子(かいどうじ)と妖姫(ようひめ)と呼ばれる怪人態に変身します。
それが結構気味悪い姿なのです。
「せっかくなら、戦うシーンも綺麗な姿のままの方が良いな~」
が、最初に見た感想でした。
怪人である印象を強くしたかったのでしょうかね。
ウブメの童子は、さらに進化した姿にもなっています。
クグツからイガ状の塊を与えられ鎧を纏った武者童子となり、ウブメの姫やウブメの幼体を食べてしまい、他の魔化魍やその童子と姫にも襲いかかります。
乱れ童子と呼ばれ、かなりパワーアップした怪人となり仮面ライダー達を苦しめます。
その後の回では、洋館の男女の毛髪から創られた、スーパー童子とスーパー姫が登場します。
他の童子と姫とは違い、声が姿と同じ(それぞれの役者の声)になっています。
登場した初めの頃は、子供っぽい感情が見られ愛嬌があります。
ちょっと可愛らしいので、情が湧いてしまいますね。
成長と自我の芽生え
最初は子供っぽくて、遊んでいるかのように仮面ライダー達と戦うスーパー童子とスーパー姫。
無邪気に笑ったり、仮面ライダーの新しい武器を見て
「あれいいな~、ほしいな~」
と羨ましそうにしたり(実際に奪って持って帰っちゃう)…
しかし、徐々に成長をしていき、他の童子と姫のような冷酷な表情になっていきます。
先に成長するのは姫の方で、じゃれてくる童子が邪魔に思って叱咤する場面があります。
「なんかお前(姫)変わったぞ~」
と、しょぼんとする童子が可哀そうにしますが、ちょっと可愛く見えてしまうのは私だけでしょうか。
その童子も遅れて成長し、無邪気な表情を見ることがなくなります。
そして、成長が進んだことによって自我が芽生え、ふと彼ら自身の存在意義を疑問に思うようになってきます。
「自分たちは一体何者なのか?」
「何のために生きているのか?」
何やらドラマチックになってきたとワクワクしますね。
このあと童子と姫はどうなっていくのでしょうか。
童子と姫の最後
物語が進み、世界の危機に面したときに、生みの親である洋館の男女が
「鬼(仮面ライダー)を守れ」
と指令を出します。
なぜ鬼を守らなければならないのか?
童子も姫も混乱したことでしょう。
しかし、成長しきった彼らは自我の芽生えによって、その指令に反抗します。
洋館の男女に攻撃を仕掛けますが、跳ね返され逃げ出していきました。
ただ、彼らは行く当てもなく彷徨います。
そして、ついにエネルギー源になる餌を食べることができなくて力尽きてしいます。
「自身は何者なのか」
最後まで問いていましたが、それはわからないまま終わってしまいました。
洋館の男女の指令のもと動く手下として生まれ、結局何かを成し遂げることもなく、そして
自分たちの存在意義を見つけることもできないまま散っていく…
主人公ではなく、むしろ敵サイドのキャラクターなのにすごいドラマチック!
物語の裏でひっそりとあるストーリーに魅力を感じてしまいます。
まとめ
- ビジュアルと存在感
- 成長と自我の芽生え
- 童子と姫の最後
ストーリーも交えながら、童子と姫とはどんなキャラクターなのか、また魅力について語らせてもらいました。
物語の最後まで見ると、主軸のストーリーへの影響力は少なく感じます。
けれど、そのストーリーとは別に“童子と姫”というドラマが展開されていて、心を動かされてしまいます。
本来、敵のボスの命に従う手下でしかないのですが、自分の意志を持ち生きる道を決めようとするなんて、深く強いメッセージを感じました。
怪人なのに、人間っぽいですよね。
子供が成長して自我が芽生え、大人になっていく過程で自分の存在意義を探していく…
現代の社会にも似通ったところがありますよね。
学校や会社など組織の一部に入ると、ルールや方針に沿って動かなくてはならないですし、ましてや急にそのルールや方針が変わることがありますからね。
それに従うか、自分の意志を表現するか…。
そういう共感から、感情移入して見てしまうのかもしれません。
そんな童子と姫の魅力があるのもあって、仮面ライダー響鬼が子供も大人も楽しめる作品であると思います。